カーボンニュートラルについて
2022.04.25
まえがき
先ず初めに、なぜカーボンニュートラルを話題にしたかと言いますと、私の大好きなモータースポーツ “F1”がきっかけになります。1987年から1992年にかけて発生した社会現象。当時、HONDAの伝説のドライバー“アイルトン・セナ”を中心に、F1史上最強のHONDA黄金期を築き上げました。僕ら(当時20歳前後のエネルギーに満ちた男子達)は、世界各国毎月1回程のペースで開催されるレースが始まると、かぶりつく様にTV画面に集中し、何時もその話題で盛り上がっていました。それから、バブル経済が弾けた1992年、一旦、F1活動を休止したHONDAは、2000年に再びF1に参戦しましたが、結局、かつての栄光を取り戻す事が出来なかったのです。2015年、再度F1復帰したHONDAは、チームを組んだマクラーレンともうまくいかず、暫く下位チームとして屈辱を味わいました。転機となった2020年、レッドブルとチームを組んでからのHONDAは、レッドブルシャーシとの相性も良く徐々に車も極め、そして、とうとう、HONDAジェット航空機エンジンを基礎に開発された画期的新型エンジンの搭載で、2021年の年間チヤンピオン“マックス・フェルスタッペン”を輩出する事となったのです。そのニュースを目の当たりにした時、本当に自分の事の様に嬉しくて泣いてしまいました。
残念ながら、2022年3月より開催された今シーズンは、“HONDA”のロゴはどこにも無く、レッドブルにエンジンの知的財産権を譲渡した形(㈱ホンダ・レーシングよりレッドブル・パワートレインへの供給・サポートのみ)となり、本田技研工業㈱の本体としては、2050年までにカーボンニュートラルを実現する為、ガソリンエンジンからの撤退及びF1撤退を表明する事となったのです。世界の自動車メーカーは、地球温暖化問題とエネルギー革命に直面し、本当に生き残る為に必死ですから、これは仕方ない事だと思うのと同時に、昨今、深刻な状況に陥ってるロシアのウクライナ侵攻問題など、これは他人事ではなく、私たちの暮らしに必要なエネルギーが重要ポイントになっています。画期的なクリーンエネルギー革命が急務だと思います。
カーボンニュートラルとは?
カーボンニュートラル (carbon neutrality) は環境科学の用語の一つ、または製造業における環境問題に対する活動の用語の一つ、日本語では炭素中立と言う。カーボンオフセット、排出量実質ゼロという言葉もいずれも類義語で用いられる。何かを生産し一連の人為的活動を行った際に、排出される二酸化炭素と吸収される二酸化炭素が同じ量にする、という考え方を示す。地球温暖化と二酸化炭素の濃度を巡る議論のなかで、カーボンニュートラルという概念が頻繁に登場するようになった。
課題
森林の維持
カーボンニュートラルが成立するためには、植物によってCO2が完全に取り込まれなければならない。具体的には、植物由来製品の原材料を生産する森林や農場を適切に管理し、植物の栽培や育成を維持することが必要である。これを行わなければ、植物由来燃料は化石燃料と同じように、「長期間地球を温暖化させる能力のある二酸化炭素」を大気中に長く滞留させることになり、カーボンニュートラルは成立しない。
企業の動き
Nike、Google、Yahoo、Markus&Spencer、香港上海銀行、Dellなど大手企業が自社の「カーボンニュートラル化宣言」を行い、温室効果ガス削減に取り組んでいる。日本においても、グリーン電力証書を活用した企業の温室効果ガス削減が行われている。しかしながら、グリーン電力証書については、追加性の要素が不足しているとの声もあり、日本の環境省で取り扱い方針を検討中である。さらに、2020年10月に菅総理が所信表明演説で、2050年にカーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指すと宣言した。この宣言によって、自動車業界はカーボンニュートラル化に必要なこととして、車の使用時でのCO2排水を抑えるだけでなく、材料や部品、ガソリン燃料などの製造の段階で発生するCO2を抑えるとともに、自動車の電動化を計画している。また、大手自動車メーカーのホンダは2021年のシーズンをもってF1のパワーユニットサプライヤーとしての参戦を終了することを発表した。
自動車業界が100年に一度の大転換期に直面する中、HONDAは、最重要課題である環境への取り組みとして、可能な社会を実現するために「2050年カーボンニュートラルの実現」を目指します。そのために、カーボンフリー技術の中心となる燃料電池車(FCV)・バッテリーEV(BEV)など、将来のパワーユニットやエネルギー領域での研究開発に経営資源を重点的に投入していく必要があり、その一環として、2021年4月に「先進パワーユニット・エネルギー研究所」も設立しました。F1で培ったエネルギーマネジメント技術や燃料技術、そして研究開発の人材も同様にパワーユニット・エネルギー領域に投入し、将来のカーボンニュートラル実現に集中し取り組んでいくために、今回、F1への参戦を終了するという判断をしました。
カーボンニュートラル目標
世界では、120以上の国と地域が「2050年カーボンニュートラル」という目標を掲げ、大胆な投資をする動きがあいつぐなど、気候変動問題への対応を“成長の機会”ととらえる国際的な潮流が加速しています。世界中のビジネスや金融市場も、その潮流の中で大きく変化しています。カーボンニュートラルへの挑戦は、社会経済を大きく変革し、投資をうながし、生産性を向上させ、産業構造の大転換と力強い成長を生み出すチャンスなのです。
★地球温暖化問題へのチャレンジ “カーボンニュートラル”
このまま温暖化が進むと、北極や南極の氷河が溶けて海面が上昇…さらなる異常気象を引き起こし、食料の入手が困難になり、われわれの生活や健康にも大きな被害がおよぶ可能性があります。
したがって、温暖化の進行を防ぐために、温室効果ガスの排出量の減少に早急に働きかけていく必要があります。
当社も、バッテリーTVカメラ車の販売やエンジン式発電機からバッテリー式蓄電池への転換推奨等、ほんとに小さな活動かもしれませんが、少しでも二酸化炭素の削減に貢献出来る様に取り組みたいと思います。
㈱カンツール 大阪営業所
松田伸助