オスプレイ
明けましておめでとうございます。
本年もカンツールのご愛顧を宜しくお願い申し上げます。
年が明けて間もない元日の午後、能登半島地域に地震が発生しました。
被災された方々に心よりお見舞い申し上げ、亡くなられた方々のご冥福をお祈りします。
被災地の一日も早い復興を願っています。
沈鬱な空気の満ちた年明けとなった翌1月2日に、羽田空港で海上保安庁の航空機と民間旅客機が滑走路上で衝突する事故が発生した。
旅客機の乗員、乗客の命が失われなかったことには安堵したが、残念なことに海保隊員に犠牲者が出てしまった。
今日現在、事故の原因は解明されていないが、着陸機が入る滑走路上に別の航空機が待機していたという信じ難い事実に驚きと悲しみの感情が湧く。
昨年11月末に発生した、米空軍機「CV22オスプレイ」墜落のニュースが思い出される。
オスプレイは米国で1980年代に開発が始まり2000年代に米国内で配備され、2020年には海外では唯一となる日本に輸出された。
最大の特徴は、ヘリコプターと同じ回転翼(プロペラ)機だが、飛行中に垂直方向の回転翼を水平方向に切り替えることができる点である。
これにより、長い滑走路が不要な垂直離着陸能力を持ちながら、ヘリコプターよりも高い航続性や速度能力を有する。
しかし、開発段階から墜落事故が相次いで発生し、実戦配備が危ぶまれていた。
これまでの事故によって60人以上の死亡が確認されているが、これは戦闘による死者ではなく全て墜落事故によるものである。
米国本土で6件、死者37人、アフガニスタンで2件、死者3人、オーストラリア2件、死者6人、他に5か国で18人の死者が出ている。
そのうち昨年の鹿児島県屋久島沖の事故は6人の死者(行方不明者2人)が発生し、実戦配備後では最大の事故となった。
日本国内の米軍には、横田基地に6機、普天間基地に24機、合わせて30機が配備され、それに加え自衛隊木更津駐屯地に14機のオスプレイが配備されている。
安全に疑いがある以上、運用してはならないと強く思う。
現在、米軍は世界に配備しているすべてのオスプレイの飛行を停止すると発表したが、事故の原因は未だに明らかにされていない。
この機体の価格は1機100億円以上とされている。
これとは別に予備部品、訓練費用などが掛かり2015年の17機の購入計画では、3,600億円が予算計上されたという。
事故の原因が明らかになり「欠陥機」として全面撤去になった場合の損害はどれくらいになるのだろうか。
このお金があれば、災害支援や社会保障にもっと活用できたのにと思う。
このオスプレイを間近に見たことがある。
昨年の秋、木更津駐屯地で行われた「航空祭」を見に行った時のことだ。
エンジン音が鳴り響く中、2機の機体がふわりと上昇し、空高く舞い上がり、肉眼では見えづらいのだがローターを水平にして飛び去って行った。
帰投の際も離陸の時と同じようにふわりと着陸した。
他にも数機が展示されており、人だかりができていた。
これが戦時には殺傷能力を秘めた軍事兵器になるのだが、悠然と駐機している姿は素直に「かっこいい」のである。
映画「ターミネーター4」を見た方は覚えていると思うが、スカイネットが人間を狩猟する際に登場する大型輸送船「ハンターキラー」を彷彿させる。
この物語は2018年を舞台に展開するのだが、抵抗する人類の基地にオスプレイがほんの少し映っていた。
映画制作当時(2009年)は、米国期待の軍用機だったことが垣間見える。
何はともあれ安全第一の基本を守り、決して住民が巻き添えになる事故が起きないことを願う。