クロアチアのネクタイ
前回に続いて、7月に訪れたクロアチアの話題です。
男性が身に付ける「ネクタイ」ですが、その起源は、実はクロアチアにあるのです。
時は17世紀ごろのヨーロッパ宗教戦争(30年戦争)まで遡ります。
当時のフランスは、外国から数多くの傭兵を雇っていました。
クロアチア人も傭兵でした。
かつてクロアチアの女性は、戦場に赴く夫や恋人の無事を祈り男性の首に赤いスカーフを巻きました。
日本の「千人針」と同様「お守り」としてです。
時のフランス国王「ルイ14世」がクロアチア兵士の赤いスカーフを見て、側近のものに「あれは何か?」と尋ねたそうです。
側近の者はクロアチアの兵士について聞かれたと勘違いし、当時のクロアチア人の呼び名である「クロアットです」と答えたのです。
そこからそのスカーフのことを「クロアット」と呼ぶようになり、その後「クロバット」に変化して現在のフランス語のネクタイの呼び名「CRAVATE(クラバット)」となったそうです。
この「クラバット」は宮廷人の間でレースやシルク等でリボン風にアレンジされ、人々がお洒落とエレガントさを競い合い、ヨーロッパ中に広がりました。
英国に渡った時、いかにも即物的な、首を絞める「NECK‐TIE = ネクタイ」と呼ばれるようになり、日本にも普及しました。
因みに、日本に初めてネクタイを持ち込んだのは、海で遭難しアメリカの捕鯨船に助けられてアメリカに10年間滞在した「ジョン万次郎」だとされています。
それから170年が経ちました。
日本では2005年からCOOLBIZ(クールビズ)が導入され、最近ではすっかり浸透し、夏の間はネクタイを締めないことが殆どというサラリーマンも多くなりました。
しかし、ネクタイはビジネスマンにとっては必需品で、特に改まった席では締めていないと落ち着かないと思うのは私だけではないでしょう。
さて、10月になり、クールビズ期間は終了しました。
またネクタイを締めたビジネスマンが満員電車に溢れることとなります。
写真は、私がクロアチアを訪れた際、記念に買ってきた「クロバット」です。
首都ザグレブで求めたもので、店の入り口には2mもの大きさのクロバットが飾ってありました。
古代のクロアチアで使われていた「グラゴール文字」の刺繍が施されているところが気に入っています。
このグラゴール文字も今では、読める人はほとんどいないとのことです。
その辺にも悠久のロマンを感じました。
それでは、これにて。
最後までお読みいただき有難うございました。