アイドル体験記
2018.06.04
皆さんこんにちは！
ご覧頂きありがとうございます。
松戸センター 技術開発課のNと申します。
せっかくの機会ですので、珍しい体験をお伝えしたいと思います。
前職で家電メーカーに勤務しており、海外工場の立ち上げと運営の仕事をしていました。
このお話はインドネシアのジャカルタに約３年間駐在していた時の事です。そこでは、「恐怖の社員旅行」というイベントがありました。
従業員が３交代制で１万５千人ほどおり、１回当たりの社員旅行の参加者は５千人でした。
観光バスを１００台以上チャーターし、警察にお金を払ってパトカーに先導してもらい、大きな公園
に行きます。最初のバスが到着してから、最後のバスが到着するまでに２時間ほど掛かります。
【嵐の前の静けさ】
みんなが集まるまで、雑談やトランプなどで時間を潰しています。
公園には前日に設営部隊が入っており、立派な野外ステージが準備されています。
若い人が大人数で楽しむとなると、歌やダンスになるようです。
工場の従業員は日本と違い娯楽が少ないので、社員旅行を非常に楽しみにしていたようです。
私たちは駐在員専用のテントで、これから始まるイベントに緊張していました。
【大量のお弁当】
【宴の始まり】
駐在責任者から、「普段一生懸命働いている従業員を楽しませるため、駐在員は”バカ”に徹して場
を盛り上げろ！」と厳しい業務命令が出ていました。
【激しいダンス！パートナーはインドネシアの芸能人らしい】
約５千人の前で、これをやるのは拷問に近いものがありました。当然、お酒の力も借りています（笑）
ご存知の方も多いと思いますが、インドネシアは非常に親日的な国です。
人口は２億３千万人を超えており、私が住んでいたジャカルタ都市圏だけで３千万人以上住んでいました。
これに対し当時在留邦人は約２万人でしたので、珍しい存在でした。
従業員も友人や家族に日系企業に勤めている事と、身近に日本人がいることを自慢するために、私たちと写真を撮りたがりました。
従業員の約９割は１０代の女性であり、ちょうどＡＫＢ４８の姉妹グループであるＪＫＴ４８がジャカルタで活動を開始した時期だったので、日本に対する憧れがより強かったようです。
また、インドネシアは世界最大のイスラム教徒の国ですが、中東のそれと違い厳格な戒律はあまり守られず、（違法だけど）お酒を飲む人もいましたし、女性の服装もオープンでした。
【ダンスの後は撮影会】
最初の頃は友達と一緒とか、グループで集合写真でしたが、盛り上がってくると２ショットが求められました。
４０後半のおっさんがアイドル気分を味合わせて頂きました。
しかし１日中笑顔を作っていると、夕方には顔の神経が引きつってきますし、握手のし過ぎで手に力が入らなくなります。
こんなイベントを日々行っているアイドルは、本当に大変な仕事だと実感しました。
さて、なぜこれが「恐怖の社員旅行」だと思いますか？
３交代制で従業員が１万５千人と書きましたが、１週間毎にシフトが入れ替わりますので、同じイベ
ントを３週連続で行うからです。
また、場所は毎年変わりましたが、年３回×３年間＝合計９回の苦行となりました。
あの時、千回以上写真撮影に応じましたが、私の手元にほとんど写真が残っておりません。写真の
行き先が非常に気になる今日この頃です。
