温故知新
2023.08.09
松戸センター技術開発課のNと申します。
今年も暑い夏がやってきました。熱中症にお気をつけ下さい。
小さい頃から戦車が好きで、今も模型を作ったり実車を見に行ったりしています。
その中で僅かですが、クラウドファンディングで協力させて頂いております、
旧日本陸軍の九五式軽戦車“ハ号”について紹介させて頂きます。
某戦車道アニメで見た方もいらっしゃるかと思います。
この4335号車は数奇な運命を経て、2022年12月に日本へ二度目の里帰りをしました。
実戦を経験する事無く南の島で終戦を迎え、1981年に一度目の日本への里帰りを果たし、京都の美術館で展示されていました。
しかし、その美術館が閉館してしまい、和歌山県の展示施設に移ったのですが、そこも閉館してしまい、
その後イギリス人の愛好家に購入され、イギリスへ旅立ちました。
そして2017年に、イギリス人愛好家から購入と最終修理費用のサポートの申し出があり、
クラウドファンディングの結果、買い戻す事が出来ました。
この戦車の最大の特徴は、約80年前のオリジナルのエンジンで自走する事が出来る、
世界で2台しかない旧日本陸軍の戦車という事です。
これが実際に走るという事で、4月16日に静岡県御殿場市へ出掛けました。
前日は大雨で、お披露目会の開催も危ぶまれましたが、当日は雨が上がり、天候にも恵まれました。
クラウドファンディングの参加者約600人のほか、NPO法人「防衛技術博物館を創る会」の小林代表、
御殿場市長や国会議員の方々も参加されました。
神事の後、待ちに待ったエンジン始動です。参加者が戦車を取り囲みその時を待ちました。
皆でカウントダウンをし、エンジンが始動し会場が歓喜に包まれました。
実際に走ったところを見た印象は、「思っていたより軽快で速い」でした。
文章では感動が伝わりにくいので、「九五式軽戦車 動画」で検索して頂ければ、多くの動画がご覧頂けます。
この戦車を輸入するに当たり、小林代表がNPO法人「防衛技術博物館を創る会」を立ち上げ、
博物館に収蔵する目的で輸入許可を取ったと伺いました。
残念ながら日本には、他の国にはあたり前のように存在する、軍事博物館がありません。
確かに人を殺めるための道具だという人もいるでしょう。
しかし当時の設計者,技術者が、求められた環境と条件で生み出した技術の結晶です。
これは業務で「ものづくり」に携わる者として貴重な財産です。技術の継承の意味でも意義があると思います。
まさしく温故知新です。
下の画像は以前訪問した、インドネシア国軍博物館です。市民の憩いの場として無料で開放されていました。
今後も微力ですがNPO法人「防衛技術博物館を創る会」の活動をサポーターとして応援させて頂きます。
もしご興味のある方がおられたら、「READYFOR 防衛技術博物館を創る会」で検索して下さい。
出展:READYFOR 「防衛技術博物館を創る会」のマンスリーサポーターを募集します!