自動運転雑感
2018.09.03
自動運転ハイエースに搭載された、カンツール製 自動調査カメラ車群
こんにちは、殺人的な猛暑の今夏でしたが、ほんの少しだけ秋の気配が感じられる今日この頃、皆さんは如何お過ごしですか?特装課の職工Mです。
今回は車の架装を行っている特装課らしく、車の話題にしたいと思います。
残念ながら今年はまだですが、私、年に1~2回は某所でヘリコプターを操縦します。
これは以前のフライトの時の話です。
安定して地面を離れ、順調に離陸・巡航し、いざ着陸にむけて降下を始めた時のことです。
ぐんぐんと迫りくる地面に恐怖を覚え(皆さんも飛行機に乗った経験が有るかもしれませんが、普通の旅客機は地面に対して3°の角度で降下します。ヘリコプターは倍の6°が標準降下角です。)急激な上昇の操作をしたところバランスを崩し、40ft(約13m)程度の高さから水平回転かつ横転しながら墜落してしまいました。
乗っていた者は良くて重症、約70億円する機体は大破してしまいました。
えっ?そんな事故のニュースは知らない!?ですよね。実はこれ、シミュレーターでの話です。
シミュレーターと言ってもPCゲームでは無く、操作する物も動きも実機と同じ、パイロットが訓練をする為の本物のシミュレーターです。
基本的な操縦方法を知っている以外には、まともな訓練をしていない私でも、数千万から億もする、高価な電子機器が機体を安定させてくれ、普通の状態であれば車の運転の様に飛ばせるのです。
しかもこの機体の設計は1990年代前半です。
以前に旅客機のボーイングB777の実機シミュレーターも操縦したことが有るのですが、こちらは更にゲーム感覚!自動で事前に決めたルート通りに飛べるのはもちろん、手動操縦でも、風によるズレもコンピューターが補正してくれ、モニターの指示通りにマークを合わせ、操縦桿を操作するだけでした。
B777は約400億円!やはり、お金さえかければ出来るんですね!自動運転!
高価な電子機器満載!高級なヘリコプターのコックピット。
かたや自動車はどうでしょうか?
昨今では自動ブレーキや車間、車線維持の機能、驚いたのは、ボタン一押しでバックで駐車等々の機能が付いた市販車が増え、2020年にまでには自動運転車の市販をするとメーカーが開発にしのぎを削り、一部では公道での実験が始まっているとニュースで時折目にしますね。
(王者トヨタが比較的おとなしいのが気になりますが・・・)
自動運転実証中(画像を見てるだけで緊張しそうです。)
ただ現状、単機能でも動作条件に限界があり、それらを総合的に組み合わせた自動運転システムを、あと1年半の短期間に完成させられるのでしょうか?楽しみでもあり疑問も感じます。
車輛単価が数百万円の自動車に、自動運転のシステムを現実的な価格で作り出せるのでしょうか...
全ての交通に共通な気象条件はもとより、歩行者や自転車、バイク等の他の交通も混在する秩序の乱れた環境。
急な飛び出し、無理な割り込み、猫ちゃんの飛び出し等の突発的な事案、路上にある大小さまざまな障害物...
まだまだ有る、これらの条件を、どうクリアーしていくか!技術の進歩を楽しみにしたいですね。
比較的秩序の保たれている航空でも完全自動操縦は実現されてなく、進路が定められている鉄道、判断・決定に多少時間的余裕のある船舶でも自動運転は、まだまだ発展途上・・・
そう考えると、自動車の自動運転のハードルは高そうですね!?
普段、何気なく無事故で運転している私たちは、維持費もとても安い凄い運転システムだなとも感じました。
自動運転で現場に行き、セットした自動自走カメラが人工知能で画像解析し調査、報告書まで作成、自動運転で帰社する。
こんな夢のようなテレビ車が遠くない将来、出来るかもしれませんね!
技術の発展を、楽しみに期待してみましょうか!?
冒頭のヘリコプター、自動操縦の機能も備えています。
そのパイロットが言ってました!
「自動操縦で機体を操る負担は確かに減ります。ただシステムがきちんと動作しているか?機械が対応出来ない時に、どう瞬間的にとって代わるのか?常に考え、モニターし続けないとな為、新たな負担が増えました!もし事故が起きた時、機械が悪いとは言えませんから。」
意味深い言葉でした・・・