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旧高野家住宅「甘草屋敷」の雛祭り

2024年父の生まれ故郷の山梨県甲州市にある「旧高野家住宅(甘草屋敷)」を訪れた。

JR中央線「塩山駅」の正面に位置し、国の重要文化財に指定されている19世紀初頭に建築された古民家屋敷である。
旧高野家は、古くから薬用植物の「甘草(かんぞう)」を栽培していた。生薬の甘草は「葛根湯」でよく知られている漢方薬の一種で、咳を鎮め、痰を切り、健胃生薬、抗炎症、鎮痛の効果がある。
また、成分に含まれる「グリチルリチン」はショ糖の約150倍の甘さがあり甘味料として広く食品にも用いられている。

享保5年(1720年)高野家は徳川家八代将軍吉宗公の命により江戸幕府に甘草を納めていたことからこの屋敷の名がある。
高野家住宅の主屋には、切妻屋根(最頂部から本を伏せたような山形の形状をした屋根の形)の前面に2段の突き上げ屋根を設けてある。
これは甲州民家というこの地方特有の建築様式である。
父の生家には、40年前まで同じような構えをした屋根があり、亡くなった祖母や叔母が屋根裏で養蚕に励んでいたことを思い出した。

この日の甘草屋敷では「桃の花まつり」が催されていた。
ひな祭りは3月3日なのに、なぜこの日にと思ったが、旧暦にちなんで一月遅れで開催されているとのことであった。
甘草屋敷の中には、たくさんのお雛様が飾り付けられていた。


珍しい内裏雛も数多く展示されていた。中でも、御殿飾り雛は、一般的には京都御所をモデルにした宮殿が特長の雛飾りである。
しかし、ここでは、甘草屋敷と同じ甲州民家の屋根を模した御殿の中に内裏雛、五楽人、三人官女、等が飾られていた。
また、雛壇の脇にはたくさんの吊るし飾りが掛けられていた。
伊豆の稲取地方から伝えられた吊るし飾りは、端切れで縫ったものだが、甲州市では、特産の和紙を使った押絵で吊るし飾りが作られた。

吊るし飾りのモチーフはそれぞれ謂われがある。
例えば赤い目の兎には、魔物を遠ざける呪力がある。
草履には、早く「あんよ」ができるように。犬には安産の願いが込められている。
ふくろう(不苦労)、猿(厄が去る)、俵(五穀に恵まれる)、巾着(お金に不自由しない)などである。
子供の成長を願い親が愛情を込めて手作りしたものだ。

甘草屋敷周辺の市民から寄贈されたものが沢山飾られており、屋敷の軒先に吊るされた「吊るし飾り」は、その色彩、形が様々で、訪れる観光客の目を楽しませていた。