蓮（はす）の花
[千葉公園に咲いている蓮の花]
私の住む千葉市は、世界最古の花として知られる「大賀蓮」発掘の地として知られています。
この古代蓮の種子は、東京大学の大賀博士の手で千葉市検見川の東京大学農学部厚生場から3粒発掘されました。
昭和27年7月にそのうちの1粒の発芽に成功し、2000年の眠りから目を覚ました蓮の種子は、見事なピンク色に染まる大輪の花を咲かせました。
当時国外でも「世界最古の花、生命の復活」と大きく取り上げられました。
初夏を彩る花は数多くあれども、これほど大きな存在感を見せる花は少ないですね。
千葉市のマスコットキャラクターは、千葉市の花に指定されている大賀蓮の妖精をイメージした「ちはなちゃん」です。
[ちはなちゃん]
毎年「ちはなちゃん」が歓迎してくれる千葉公園の蓮祭りを楽しみにしています。
大きな蓮の葉にお酒やジュースを入れ茎をストローにして飲む「象鼻杯（ぞうびはい）」の体験は行列ができるほど大人気です。
夜になると、池に蓮のプロジェクションマッピングを実施したり、水上ステージでダンスと歌のライブパフォーマンスがあります。
今年は茨城県古河市にある「古河公方公園」にも大賀ハスの群生地があると聞き行って参りました。
丁度満開の時期で3000㎡もある蓮池一面に大輪の花が所狭しと咲き競っており、まるで極楽浄土を散策しているようでした。
[古河公方公園]
蓮の花は開花から4日間しか美しい姿を見せてはくれません。
1日目は早朝の4時ころから花弁がゆるみ始め、午前8時にはゆっくりと閉じ始めます。
2日目は、深夜のうちに開き始め午前9時ころに全開となり、また閉じます。
3日目には最大径の花となります。
そして4日目の朝から散り始め、午後3時には完全に散ってしまうそうです。
[蓮の花の散り始め]
また、ハスの花が開く時に「バサッ」とか「パカッ」と音がするといわれていますが、それは残念ながら迷信です。
不浄である泥沼から茎を伸ばし、泥に染まらないどころか泥水が濃ければ濃いほど清浄で綺麗な大輪の花を咲かせるといわれています。
この姿が煩悩の多い現世で、凛として生きることをイメージさせ仏教の教えの象徴とされています。
だからお釈迦様や仏様の像は蓮の花の上に座られているのです。
今年の蓮の花の時期は終わってしまいましたが、ご覧になったことの無い方、是非千葉公園までお出かけください。
6月中旬から7月初旬の早朝が見頃です。
まだ1年も先の話ですから、その前に秋ごろに出回り始めるレンコンを食して綺麗な大輪の花を思い浮かべるのも一興かと思います。
