スーパームーン皆既月食
5月26日の皆既月食をご覧になられただろうか。
8時9分からの天体ショウを見ながら、月見酒をしようと楽しみにしていた。
【国立天文台が撮影した月食】
会社からの帰り道、車を運転しながら東南東に目を向けるが、夜空は雲に覆われ月明りが射す気配はない。
家に着くと既に欠け始めている時間で、家族総出で夜空を見上げた...いない...見えない...どこへいった?双眼鏡を持ち出す。
この双眼鏡は、日本海軍出身の父が大切にしていたNikonのずっしりと重たいもの。
めったに使わないが干潟の野鳥観察や夜空を見上げるのに時々使っている。
残念。
今回は「赤銅色」に光る月を見る願いは叶わなかった。
肩にかかる双眼鏡の重みが、やけに堪える。
この夜の満月は「スーパームーン」と呼ばれる今年最も大きく見えるとあって、期待感もスーパームーン以上に膨らんでいた。
暗い夜空が恨めしい。
月の見え方は地球に最も近い時と遠い時では、大きさに14%もの差があるという。
皆既月食は太陽と地球、月が一直線上に並び、地球の影に月が隠される現象である。
地球の影にすっぽりと収まってしまうのだから、太陽の光が当たらず暗くなり見えなくなる。
しかし、実際はぼんやりと赤黒い色になるのは何故か。
太陽光は長い時間、地球の大気の間を通過すると赤味が強まる性質を持つ。
それゆえ「赤胴色」に見えるそうだ。
この現象は夕焼けを想像すると合点がいく。
【月の見え方の差】
太陽が欠ける日食と月食は何が違うのだろうか。
日食は地球から見て、太陽の前に月が入り込むことで、太陽が月に直接隠される現象である。
太陽全部が隠される「皆既日食」、リング状に光が見える「金環日食」、一部だけが月に隠される「部分日食」である。
一方、月食は太陽の光によって照らされている月が地球の影に入り込み、月を別の星が直接隠している訳ではないのである。
視点を変えて月から太陽を見たとすると、太陽が地球によって遮られている状態になる。
つまり、月に住むかぐや姫や兎からすると日食が起きていることになるのである。
メルヘンチックな話で顔が赤銅色になるほどこっ恥ずかしいぞ。
さて、この日の夜、9時過ぎには薄っすらと見えた!既に半月状態であったが、確かに欠けていた。
少し得した気分で「月が~出た出た~月が~♪」と歌い出したかった。
家族も感慨深げに見上げていた。
何か願い事をしているかのようだった。
この「スーパームーン皆既月食」生きているうちにもう一度見る機会があるのかと心配した。
調べてみると今年の11月に98%が欠ける、ほぼ皆既月食に近い部分月食があり、完全な皆既月食は2022年11月にもあるようだ。
そして次の「スーパームーン皆既月食」は2033年10月に起きるという。
そこまで生きていられるかな…
【5月26日千葉市の上空に現れた終わりかけの月食】