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久しぶりの中華人民共和国

 当社が中国の会社と取引を初めて10年が経ちました。
これまでの取引先は、排水管清掃器メーカー、管内検査用小型カメラメーカー、TV調査カメラに用いるローラー製造会社、止水用プラグメーカー等です。

今回、新型のカメラを開発した新たなカメラメーカーを調査するために訪れました。
中国の訪問は今回を含めると7度目です。

2006年12月に初めて北京を訪れてから12年が経過しており、当時と比べると中国も大きく様変わりしていました。
特に経済発展は目覚ましいものがあり、日本の国内総生産(GDP)は2010年中国に抜かれ、世界第3位となってしまっています。
それも僅か1ランク日本の順位が下がったのですが、2位と3位の差は著しく開いており、2017年の統計では実に6兆8,734億US$(756兆円)もの差があるのです。

初めての訪中時、北京空港から市内に向かうタクシーで運転手が「この高速道路は日本の経済援助で造られたものだ」と言われた時には、やや誇らしい気持ちになったことを思い出しました。
しかし、この10年という僅かな期間で景色は大きく変わっていました。

見た目も美しい大型ビルが立ち並び、道路が整備され、何よりも大量の自転車が往来していたのがめっきり減り、国産、外国産の様々な自動車が道路を埋めていることに驚きました。
北京市内はPM2.5を多量に含む光化学スモッグの影響を想像していましたが、全くの認識違いでした。
東京の空と変わらぬ青空を見ることができたのです。
これは国の規制のひとつで、自動車の排気ガスを抑制するためにナンバープレートの末尾数字(2個/日)によって、その日は運行が認められないことが功を奏したのです。

また、北京市郊外に多くある様々な製造工場にも規制を強いて、基準を満たしていない排煙があり環境に適合しない原材料を使用している、汚水を垂れ流している等、環境に悪影響を与えていると認められた工場を操業停止に追い込んでいるのです。
更に全ての工場の操業時間を短縮することで電力の消費を抑えさせる等、強制指導で環境保護に力を入れているということです。
民主化が進むとはいえ、共産主義国家の片鱗を垣間見た気がしました。

2日目は、1980年に中国の経済特区に指定された深圳市に移動しました。
最初に訪れた時には、海の近さもあり、漁村らしい雰囲気や絵画の贋作の町と言われていただけあって怪しげな画廊が立ち並んでいましたが、それも姿を消していました。
 
街のシンボルでもあった絵筆を持つ手首のオブジェも、今回は見つけることが出来ませんでした。

現在は中国のシリコンバレーと呼ばれるほど、ハイテク産業、金融、物流が急速に発展しています。

東京都と同程度の面積に1300万人の人口があり、繁華街には夜遅くまで人通りが絶えませんでした。

繁華街には、昔の名残か海産物の飲食店が軒を並べ、店先には数々の鮮魚の泳ぐ水槽が置かれています。
客は魚貝類を適当に品定めして店に入るようになっています。
中には「蛇」料理を売りにしている店もあり、さすが中国と思わせる風景にやっと出会えた気がしました。


もちろん、食べては来ませんでしたが。

新しい小型カメラが、たくさん売れることを願っています。