懐かしの江の島
片瀬海岸西浜から望む江の島
幼少の頃、藤沢市内に2年間住んでいたことや、小田急江ノ島線沿線の大学に通っていたこともあり、湘南海岸周辺は思い出深い場所です。
30年ぶりに懐かしい江の島を散策して来ました。
今回訪れた目的の一つは、島内にある食事処「江之島亭」を訪れる事でした。
渥美清主演の映画「男はつらいよ」シリーズのロケ地をめぐることは、私の少ない趣味のひとつです。
ここは第29作、マドンナ役にいしだあゆみさんが出演した「寅次郎あじさいの恋」が撮影された場所です。
江之島亭のロケ地紹介看板
寅さんとマドンナは、紆余曲折有りながらも、ここ江の島で会うことができたのです。
しかし、結果はいつもの通り、この恋も成就できずに終わりました。
このシーンの舞台となった「江之島亭」が今でも残っており、店先には36年前のロケの写真に説明書きが添えられていました。
店内も当時のままで、寅さんとマドンナがお互いの胸の内を言えず、なんとも歯がゆく、時間だけがじりじりと過ぎてゆく情景が思いおこされました。
この店の名物「生しらす」は、漁の解禁前ということで食べることはできませんでしたが、お酒と美味い刺身で、この名シーンと共に心に沁みたひと時を過ごしました。
江之島亭を後にすると、島の裏側にある波の浸食でできた奥行き100m以上にもなる「岩屋洞窟」があります…
ところが、昨年10月に発生した台風21号による高波の被害を受け、閉鎖されているではありませんか!
(現在修復は済み、営業されているようです
台風被害を受けた岩屋洞窟
この洞窟には、幼い頃父に手を引かれ、怖いながらもひんやりと暗く長い岩の回廊を、ロウソクの灯を頼りにへっぴり腰で歩いた思い出があります。
洞窟の奥には弁天様が祀られ、龍と天女(弁天様)の言い伝えが記されていました。
学生の頃、恋人とは江の島のデートは禁物だと、まことしやかに語られていました。
その理由は、江の島の守り神の弁天様は七福神唯一の女性であり、彼女を連れて行くと、やきもちを妬かれてその恋はダメになるというものです。
今回は30年連れ添った女房との訪問でしたが、これからどうなることでしょう…
「奥津宮」に祀られている「龍宮(わだつみのみや)」
この噂もすでに過去のものになったのか、島内には「龍恋の鐘」なる、恋人同士が恋の成就を願う場所があります。
二人の名前を書いた南京錠を金網に掛け、鐘を鳴らすそうです。
異国の真似をしてか、俗っぽい観光客呼び込み手法が各地に増えたような気がします。
江の島本来の良さをもっと活かした観光整備が望ましいのではないかと思いました。
関東近隣の方にとっては、江の島なんてと思われるかもしれませんが、身近なところにも十分観光気分を楽しめる場所があります。
鎌倉にも近く、名物料理、水族館、弁天仲見世通り、雑貨屋、数々の神社など見所満載です。
是非、魅力を再発見する旅にお出かけになってはいかがでしょうか。
弁天仲見世通り入り口
江の島展望灯台(シーキャンドル)