社員旅行
10月の第2週末に4年振りとなる社員旅行を実施した。
前回は2019年10月に石川県金沢市内をめぐり、和倉温泉に投宿した。
当時の会社は、社員数75名、売上高23.6億円であった。
今年は、社員数88名、売上高29.1億円と少なからず成長の跡が見える。
今回の旅先は社員アンケートで決めた京都洛北をめぐり、奥座敷といわれている湯の花温泉に宿をとった。
旅の始まりに、まずは腹ごしらえということで鞍馬山ふもと近く貴船川の上に床を設けた、川床料理に舌鼓をうった。
松茸ご飯やふっくらと焼きあがった鮎の塩焼きが印象深い。
貴船の川床は、夏の炎天下でも市内の気温よりも10度以上低くなるという。
この日は暑さも落ち着き、爽やかな涼風の吹く川面の上は肌寒く感じられるほどであった。
食事処から数分歩いてたどり着いたのは「貴船神社」。
水の神を祀る神社で、創建は1300年前とされており、国内でも屈指の古社に数えられている。
本宮から更に山を登っていくと奥宮にたどり着く。
本殿の真下には龍穴と呼ばれる大穴が開いていて、「大地の気が噴出する場所」として神聖視されており、何人も覗いてはならないと固く禁じられているそうだ。
貴船を後に今夜の宿に向かう。
静かな山間にある温泉地で、その昔戦国武将が刀傷を癒しに訪れたという歴史ある名湯である。
夜の宴会では、社員が趣向を凝らしたゲームで盛り上がった。
宴会場に座ったテーブルごとに「会長軍」「社長軍」に分かれ、伝言ゲームと目隠しをしたそれぞれの代表者5人がくじ引きで数種類のおもちゃの武器を振り回し、当たったら負けのゲーム。
武器と言っても空気で膨らませた日本刀や青龍刀で、中には尺の短いトンカチもあり有利不利がある。
最終戦は会長と社長の一騎打ちなのだが、代理を立てることができる。
社長が営業本部長のN氏を代理に指名、それならばと会長は、商品部長のS氏を立てた。
開始されると、なんとS氏は自らの体力を顧みず、刀を振り回す作戦に出た。
ほどなく天を仰いでダウンしたが、無駄に振るった一太刀が、N氏のこめかみをかすめたと判定され会長軍の勝利。
この1勝で優勝は会長軍となった。
S氏のエンターテイナーぶりに場内大拍手で幕を閉じた。
まだまだいけるぞ!流石だ商品部長!と心の中で叫んだ。
翌日は、宿近くの「稗田野神社」を参拝し、がん封じに御利益がある樫の木の瘤をなでてきた。
神社に隣接する「大石酒造」の酒蔵で試飲し、正月用にお神酒を購入した。
その後、保津川渓谷の大自然を満喫しながらコトコトと走る
「嵯峨野トロッコ列車」にゆられ、約30分で嵐山駅に到着。
徒歩で渡月橋の先にある数寄屋造りの会席料理店で京料理を楽しんだ。
手の込んだ旬の食材をつかった桜宿膳(おうしゅくぜん)は、上段に八寸と下段に炊き合わせを盛りつけた引き出しのある箱膳のことで、団体旅行用の食事とは思えないほどの美味しさであった。
京都の地ビールも爽やかさの中に、フルーティさが感じられ美味であった。
最後に訪れたのは、世界遺産に登録されている「天龍寺」。
竹林散策や「加山又造」によって描かれた「八方睨み龍」と呼ばれている雲龍図を拝んできた。
この龍は360度どこから見ても睨まれているように見えることからこう呼ばれている。
実際に確かめてみるとその通りであった。
迫力のある画を堪能し短い旅を締めくくった。
今回の旅行には、70名の社員が参加した。
今の時代に社員旅行はそぐわないかもしれないが、よく参加して頂いたと感謝の念に堪えない。
業務多忙の中、時間を作って頂き本当に有難うとお伝えしたい。
会社のチーム力を高め、益々会社業績が伸びるようにとの願いを込めて来年も旅行を実施したいと思う。
大いに楽しんだ秋の週末であった。