#RWC2019(ラグビーワールドカップ日本大会2019)
アジアで初めてとなるラグビーワールドカップが日本で開催されている。
世界から20チームが集い、熱い戦いが繰り広げられている。
ここまで日本は世界ランク9位ながら、2戦2勝と幸先の良いスタートを切っており、初の決勝トーナメント進出が大いに期待されている。
日本においてラグビーは決してメジャーなスポーツとは言えない現状である。
その理由は日本のナショナルチームでありながら日本人以外の選手の多さに違和感を持つ人が多いことだ。
日本チームは選抜選手31人中、ほぼ半数の15人を外国出身選手が占めている。
ラグビーの代表資格は他の競技と違い、やや緩めの条件がつくられているからだ。
その条件とは
①その国の出身者である
②両親、祖父母の一人がその国の出身者である
③継続して3年以上その国に居住している。
などであり、国籍が無くても代表になれるのである。
これはラグビー発祥国であるイギリスが世界中に植民地を広げていった時、同時にラグビーも広め、イギリス人はどこの国へ行っても、その国で代表選手となれるよう代表資格を定めたことによる。
それが定着し海外のチームでも多国籍代表は珍しいことではない。
わが社の若手社員のラグビー経験者から聞いた話によると、ラグビーは球技であるが格闘技のように体をぶつけ合い、痛みや怪我などの恐怖を伴うスポーツである。
その分仲間同士との信頼関係を強固なものとし、相手チームから得点を奪いとるためには、肌の色の違い、宗教の違い、民族の違いなどに構っていることなどちっぽけなことなのだ。
仲間との信頼があってこそ、危険なタックルやスクラムの技術向上につながっているのだという。
日本代表主将を務めるニュージーランド出身のリーチ・マイケルは、外国選手と国歌「君が代」を練習したり、かつての外国出身代表の紹介をしたり、日本をより深く知るための文化や歴史の勉強会を開き、外国人という垣根を取り除く努力もしているそうだ。
日本の代表選手には、ニュージーランド、オーストラリア、トンガ、サモア、南アフリカ、韓国、そして日本を合わせ7か国の選手でチームを作っている。
リーチ主将の努力が、4年前に行われた前回大会でのスポーツ史上最大の番狂わせと世界を驚かせた当時世界ランク3位で優勝候補だった南アフリカ戦での勝利、そして今大会2戦目の世界ランク2位のアイルランド戦の勝利に導いたのである。
今大会、予選リーグ・プールAには、強豪国のアイルランド、スコットランドをはじめサモア、ロシアが所属する。
既に2勝を挙げている日本は次のサモア戦に勝利すると、初の決勝トーナメント(ベスト8)進出も射程に入ってくる。
度重なる自然災害で疲弊している日本が元気になるように、ベスト8はもちろん、優勝を目指して走り抜けて欲しいと思う。